情報学部をつくることは今後の松大の戦略において意義あること松大だからこそ、強化できる分野社会人として必要な「コミュニケーション」も学べる。るのか」「他者と一緒に何かをやっていくときに誤解を生まないようにするため、どんなコミュニケーションをとればいいのか」ということを学ぶのですが、これはこれまでの松大のカリキュラムから生まれており、松大ならではの学びではないかと思っています。この度の情報学部新設にあたり、その背景と構想をお聞かせください。池上 開拓していく必要があると考えていました。基本的に文系が主の大学なので、特に理系分野に拡げていけないだろうかという構想はあったんです。そのなかで、今後非常に重要になってくる情報分野に注目していました。愛媛県内でも企業や自治体のほとんどが十分なIT人材を確保できておらず、IT業務の内製化、DXへの取り組みが大幅に遅れているという状況のなかでIT人材に対するニーズも高まっています。情報系学部の増設という国の政策が出されたタイミングで愛媛県からも望まれるという状況が整ったため、大学として動き出しました。檀 て、経営学部情報コースのなかで18年間、学生を見てきました。卒業生から「社会は急速に情報化し、デジタル技術が浸透していく」という話を聞き、「松大も情報分野をより厚くし、専門的な人材を輩出しなければ」という思いを常に持っていました。今後10年、20年、あるいは50年先の仕事ができる人材を育成するためのカリキュラムを学部としてつくるのは、大きな意義があると確信していました。本学では以前から新しい分野を私は情報の専門分野の教員とし中村 今の社会はITを使う場面が多く、挑戦していける人、「できない」というアレルギーから進めなくなってしまう人に二分されているように感じています。中村 情報学部のカリキュラムの特徴を教えてください。檀 現在、高校の学習指導要領が改訂され、「情報」という新しい科目を含めた学びの高度化が進んでいます。松大の情報学部は情報学を「情報システム」と「メディアデザイン」という2つの分野に分けています。AIやデータサイエンスといった両分野の共通領域も学びながら、専門領域を深く学べるのが大きなポイント。情報分野に特化しつつ、いかにして多様性が求められる実社会で学びの成果を発揮できるか…実践的な学びを通して、デジタル技術で課題が解決できる人材の育成を想定しています。また、自分で学修内容を組み立てら6 れる、オープンな形のカリキュラムも大きな特徴です。自分が習得したい技術などを目標に定め、それに必要な科目を選んでいくプログラム型カリキュラムです。そのため、理系の学部でありながら、必修科目が少なく自由度が高い。専門分野を中心に据え、その周辺領域を広く学べるカリキュラムとなっています。池上 1年次ではコミュニケーションそのものを学ぶ科目も選択できます。「自分の意思をどう発信すえれば正しく伝わ檀 裕也情報学部長DAN Yuya中村 詩乃企画広報課係長NAKAMURA Shino池上 真人学長IKEGAMI Masato事務職員として、文部科学省に情報学部の設置認可申請をするための取りまとめ全般に携わる。松山大学創立100周年記念事業の推進役も務めた。経営学部情報コースの専門科目を担当し、情報技術の最先端について研究。経営学部長、副学長を歴任。2025年4月、情報学部の初代学部長に就任。新校舎「情報学部棟(仮称)」は2026年4月完成予定英語教育学を専門とし、経営学部教授、大学院言語コミュニケーション研究科教授、副学長を歴任。2025年1月より現職。
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