松山大学 学長 新井英夫氏

MATSUYAMA
UNIVERSITY

Message

  • 松山大学 学長 新井英夫
  • 学長メッセージ

未来に確かな実りをもたらす大学として
地域とともに成長し続ける

松山大学は2023年に創立100周年を迎えます。 1923年に地元愛媛の強い想いに動かされた有志の尽力によって、日本で三番目の私立高等商業学校として誕生した松山高等商業学校は、その後、松山経済専門学校、松山商科大学、松山大学へ名称を変えながら発展してきました。現在では5学部6学科と大学院6研究科を擁する中四国屈指の規模の総合大学として、「真実」「実用」「忠実」という三つの「実」からなる校訓「三実」を掲げ、教育・研究活動を展開しています。この校訓「三実」は松山高等商業学校の第一回卒業式席上で加藤彰廉初代校長によって創唱された本学の土台となる精神です。

大学という場所は、より良い未来を築くための「知」を創造することが大きな使命です。学問の本質は、知識を獲得してそれを活用し、実証的に物事を考え、確かな結論を導き出すところにあります。それはまさに本学の校訓「三実」の精神と重なるところです。教職員は単なる知識の獲得にとどまらないよう常に学生たちと向き合い、成長への一歩を踏み出す背中を後押しし、社会で活躍できる人材を輩出する役割を担ってきました。現在、多くの卒業生が学んだ内容を幅広い分野で還元し、より良い社会をつくることに貢献しています。

本学の原点である校訓「三実」の精神は時代を経ても普遍ですが、私たちは100周年という節目の年に、過去を振り返るのではなく、未来を展望したいと思っています。学生たちはこれから想像を超える出来事が起こり続ける予測困難な時代を生きていかなければなりません。コロナ後の社会の変化、人口の減少、ICTの進化など、どのように世の中が変わっていくかわからない不安定な時代だからこそ、学生たちにはこれまで以上に自分の頭で考え、学び、新しい道を、そして次代を切り拓いていく力を身につけてほしいのです。

本学で学んだ多くの学生たちが活躍する四国エリアも、人口減少が加速するなど非常に厳しい時代を迎えるでしょう。そのような新たなフェーズに突入する時代の中、本学は、学生たちが自分たちの成長を実感できるような充実した学びと環境を提供すること、地域を支えて創造していく主体的な役割を果たすことに尽力していきます。そして、地域とともに成長する大学を目指します。
そのためには大学は従来ある枠組を超えていく必要があるでしょう。松山大学は現在も愛媛県内を中心に多くの自治体と包括連携協定を結んでいますが、100年を経てさらに地域社会との連携を強化し、地域社会全体を松山大学のキャンパスととらえた教育活動を進めていきたいと考えています。学生たちは大学で学んで得た「知」を、実際に地域の中にある現実的な課題に取り組むことによって「実践知」へと昇華し、その活動の中から新たな課題を見つけ、大学に持ち帰って学問的見地からさらなる考察を行うという学修の循環を通して、確かな課題解決能力を身につけ、新たな可能性を見出していくものだと考えます。

松山大学創立100周年記念事業としては、新しい教育システムの導入や御幸キャンパスに新たな施設を造るなど、さまざまなプロジェクトを動かしています。

これからも松山大学は、学生や地域社会のニーズに応え、未来に確かな実りをもたらす大学として地域とともに成長し続けます。

2023年に皆さんと100年目の節目をいっしょに祝うことを楽しみにしています。

松山大学 学長

新井英夫氏