薬学部 医療薬学科 Pharmaceutical Sciences

学生主体の学び、多様なサポートを通じて
薬のスペシャリストとして、地域、次代を担う薬剤師を目指す

現代医療の著しい発展や高齢社会の到来により、医療現場のさまざまなシーンでその能力が必要とされる”薬のスペシャリスト”薬剤師。
本学では、病院、薬局、行政、製薬企業等で幅広く活躍できる薬剤師の養成を目的として、6年制の薬学教育を導入しています。
高度な知識や技術の修得はもちろん、患者の心もケアできる優れた「人間力」を身につけ、地域社会に幅広く貢献できる人材を輩出しています。

FEATURES

薬学部医療薬学科ならではの学びの特徴

  1. これからの時代が求める薬剤師の資質・能力を6年間で養う

    薬剤師には、薬と健康に関する確かな知識を持ち、医療を提供する上での実践的な技能や適切な態度を身につけ、問題を発見し解決する能力を兼ね備えることが求められています。これらの資質・能力を薬学部での6年間を通じて段階的、総合的に身につけます。本学では、医療や社会の変化に即応する薬学教育を展開しており、多彩な教育プログラムを通じて、社会の変化やニーズに対応して生涯にわたって活躍できる、次世代を担う薬剤師や薬学関連分野に従事する人材の育成に力を注いでいます。

  2. 総合大学で学べるメリットを生かした教育体制

    医療技術の高度化や医薬分業の進展等に伴い、高い資質を持つ薬剤師の育成が、6年制薬学教育の使命とされています。本学は中規模の総合大学であり、薬学部以外の学部も同一キャンパス内に設置されています。この恵まれた環境により、他学部の教授陣との交流や幅広い分野の学びが可能となり、将来、医薬品に関わる多様な分野で活躍する上で不可欠な倫理観や学際的視野を養うことができます。本学薬学部の基幹教員は、薬剤師や医師を中心に多様な研究経歴および博士の学位を有しています。また、教育に対する高い熱意と指導力を備え、個々の学生の主体的な学びと成長を力強く支援しています。

  3. 国家試験に対応した強力なサポート体制

    6年次には、これまでに修得した薬学の専門知識を臨床経験に基づいて再整理し、統合的に理解するための講義や演習が行われます。これらの学修を通じて、薬剤師国家試験に対応できる実践力や応用力を磨きます。また、正規の授業に加えて、薬剤師国家試験対策に特化した外部講師による講習会や模擬試験を課外で実施しています。さらに、各研究室での個別指導や、自己学習ツールとしてのWeb問題集など、多様な学修支援体制を整え、国家試験合格に向けて学生を多角的にサポートしています。

  4. 県下に広がる緊密な病院・薬局ネットワーク

    薬剤師国家試験の受験資格は、6年制薬学部の正規課程を修了することで得られます。その課程には、薬局および病院におけるそれぞれ11週間、計22週間にわたる実務実習が含まれます。本学薬学部では、愛媛県内の30の病院および92の薬局と連携し、実際の臨床現場における約6か月間の継続的な実習を実施しています。実習中に、調剤、服薬指導を含む患者対応、チーム医療への参画などを通して、薬剤師としての実践力を段階的に養います。実習期間中も安心して実習に取り組めるよう、教員が学修面・精神面の両面から学生を丁寧に支援する体制を整えています。

  5. 愛媛大学との連携による合同授業の実施

    本学薬学部医療薬学科では、愛媛大学医学部医学科・看護学科、愛媛県立医療技術大学臨床検査学科と連携し、3大学4学科による合同授業を実施しています.今日の医療現場では、多職種の医療専門職がチームを組み、連携しながら一人の患者を支える「チーム医療」が重視されています。その実現には、主体性を持って臨むだけでなく他職種の専門性や役割に対する理解が不可欠です。本学では、こうした実践的な視点に立ち、他学科の学生と共に学ぶ機会を通じて、職種間の協働に必要な知識・態度・コミュニケーション能力を育成する教育に積極的に取り組んでいます。

PICKUP

早期臨床体験/1年次

学内において医薬品に関する事前学習やセルフメディケーションを学び、調剤の基本やバイタルサイン測定、各種調剤、服薬指導などを体験後、学外の薬局、病院、保健所などの見学を通じて、薬剤師に必要な心構えと基本的な業務の流れを把握します。また、いろいろな分野で活躍する卒業生の話を聞き、将来のキャリアデザインを考える貴重な機会になります。

神経科学/2年次

神経系・筋の機能および病態に関する基本的知識を学びます。前半では中枢・末梢神経および筋肉の基本構造から薬の作用点となる生体分子の機能を、後半ではうつ病や認知症など様々な病態について学びます。脳は各臓器の神経性調節の中枢であるため循環器系などの理解や、薬物療法を扱う「薬理学Ⅰ」につながる科目です。

免疫学/2年次

免疫系は個人用にカスタマイズされた防御システムで、外部からの攻撃や内部で生じる不具合から身体を守っています。その働きは美しいまでに精巧ですが、時々暴走します。薬剤師は薬でこの防御システムを操って、病気の治療に役立てます。そのために免疫系のメカニズムを学ぶ科目です。

医薬品構造化学/3年次

人間の体はタンパク質、糖質、脂質など様々な有機化合物(生体分子)からできていますが、ほとんどの薬も有機化合物です。薬は、生体分子にジグソーパズルのピースのようにはまったり、狙った場所で化学反応を起こしたりして効果を発揮します。そこで重要になる薬の化学構造と性質を学び、薬理作用との関係を薬効別に整理しながら理解していきます。

領域横断薬学/4年次

薬学臨床の代表的な8疾患(がん、高血圧、糖尿病、心疾患、脳血管障害、精神神経疾患、免疫・アレルギー疾患、感染症)を題材に、3年次までに学んだ科目を立体的に連携させながら学びの内容を整理し、より深い薬学の理解につなげます。また、問題解決能力を身に付けることも目指します。

薬局・病院実務実習/5年次

薬局と病院での実務実習(各11週)では、薬剤師の業務と責務を理解し、医師やその他医療スタッフとのチーム医療に参画できるようになるために、調剤、製剤、服薬指導などの薬剤師業務に関する基本的知識、技能、態度を修得します。臨床現場における本格的な臨床経験を通じて、実践的な臨床対応能力を身に付ける参加・体験型学習です。

解剖実習(希望者)

解剖実習は愛媛大学医学部の協力のもと実施されます。ご献体されたご遺体を使用し、体内での薬効動態を中心に人体構造を学びます。実習指導を担する松山大学の教員(医師)が事前の倫理教育も行い、希望者の中から参加者が選抜されます。ご献体を使用させていただくことで、教科書の紙面上では学ぶことができない、誰一人として同じではない人体構造のみならず、医療従事者に求められる死生観も学ぶことができます。

CAREER

取得できる免許・資格、就職状況について

薬学部医療薬学科の就職率

100%

※2025年3月実績

医療薬学科は、開設以来就職率100%を誇ります。大半が病院・薬局で薬剤師として勤務し、これまで就職者の7.4%が公務員になっていることも特色です。
※第110回薬剤師国家試験 新卒受験合格者率:80.7%

主な就職先(一例)

[病院]
愛媛大学医学部附属病院,高知大学医学部附属病院,徳島大学病院,岡山大学病院,川崎医科大学附属病院,山口大学医学部附属病院,大分大学医学部附属病院,鹿児島大学病院,神戸大学医学部附属病院,福井大学医学部附属病院,日本医科大学付属病院,愛媛県立中央病院(新居浜・今治・南宇和を含む),松山赤十字病院,四国がんセンター,愛媛医療センター,岡山医療センター,岩国医療センター,米子医療センター,松山市民病院,松山記念病院,南松山病院,松山ベテル病院,道後温泉病院,HITO病院,住友別子病院,愛媛労災病院,済生会西条病院,西条中央病院,済生会今治病院,大洲中央病院,喜多医師会病院,市立八幡浜総合病院,市立宇和島病院,JCHO宇和島病院 など

 

[薬局]
レデイ薬局,ハッピー薬局,あい薬局,愛ファーマシー,あさひ調剤薬局,かいてき調剤薬局,健生薬局,コスモ薬局,城西調剤薬局,株式会社大屋,トマト薬局,アイン薬局,日本調剤,総合メディカル株式会社,マツモトキヨシ,ウエルシア薬局,たんぽぽ薬局,株式会社フロンティア,イオン薬局 など

 

[行政]
愛媛県薬務衛生課,愛媛県立衛生環境研究所,愛媛県保健所(県内6施設),松山市保健所 など

薬学部を卒業すると取得・受験・申請可能な主な資格

  • 薬剤師国家試験受験資格
  • 向精神薬取扱責任者
  • 麻薬取締員
  • 薬事監視員
  • 医薬部外品、化粧品、医療機器の製造所の責任技術者
  • 食品衛生監視員、食品衛生管理者
  • 危険物取扱者(在学中に受験可能)
  • 特別管理産業廃棄物管理責任者(感染性廃棄物・感染性廃棄物以外)
  • 環境衛生指導員

薬学部を卒業後の実務経験で取得・受験可能となる資格

  • 水道技術管理者
  • 一般廃棄物処理施設又は産業廃棄物処理施設の技術管理者
  • 作業環境測定士(第一種・第二種)
  • 労働衛生コンサルタント
  • 公害防止管理者

薬剤師が資格要件である主な資格

  • 薬局の管理者
  • 保険薬剤師
  • 店舗販売業の管理者
  • 医薬品製造販売業の総括製造販売責任者
  • 医薬品製造業の管理者
  • 卸売販売業の管理者
  • 飼料製造管理者
  • 衛生管理者
  • 麻薬取締官
  • 麻薬管理者
  • 麻薬輸出業者
  • 麻薬元卸売業者
  • 麻薬卸売業者
  • 放射線取扱主任者
  • 毒物劇物取扱責任者

薬剤師が実務経験により取得・受験可能な資格

  • 環境計量士(濃度関係)
  • 認定薬剤師
  • 専門薬剤師
  • 介護支援専門員